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ゴミとバス

 9月に入って、ゼミのメンバーとキャンプに行った。現在の大学は、9月前半も夏休みのうちである。この時期になると、どこのキャンプ場も平日はさすがに人気が少ない。今回の目的地は、薩摩半島西岸の県営吹上浜海浜公園。広大な公園の一角に、テント村とバンガロー村がある。

 3年前、平成の大合併で南さつま市になったこの一帯は、旧加世田市時代から「サイクル都市」を掲げて、自転車道の整備に力を入れた。その目玉は、自転車で渡れる高架橋「サンセットブリッジ」。われら参加者8人も、現地に着くとさっそく貸し自転車を飛ばして橋の上からの景観を満喫した。

 日没後は定番のバーベキュー。中国出身の留学生2人も和風野外会食が気に入った様子だった。このメンバーに限ったことではないが、バーベキューとなると若者たちは不思議に好き嫌いも言わずによく食べる。飯盒(はんごう)の手配もれで主食がコンビニおにぎりに化けたことに苦情も出なかった。それ以上に当日の人気をさらったのは、道中で調達したメイド・エプロンだった。

 Jeeにとって無念なことがひとつ。焼酎片手の夜更けの談論の途中で睡魔に襲われ、完走しそこなったのだ。朝5時まで奮闘した面々は「あれからぐわーんと盛り上がったのに」などと敬老精神のかけらも見せない。3年前のキャンプでは朝日を拝んでから仮眠をとったのだが、その後がいけない。翌年記憶喪失になったのがつまずきのもとで、今回も汚名挽回とはいかなかった。だが、トシのせいにするつもりはない。次を見てろよ。

 公園は、10月に開かれる「ねんりんピックかごしま」のサイクリングとサッカーの会場になる。そのせいもあるのだろう、朝から日暮れまで、公園のいたるところで実に大勢の人が整備作業に汗を流していた。そして、われわれもゴミ問題に直面したのである。

 海浜公園は「ゴミ持ち帰り」が規則である。キャンプで出るゴミの大半が生ゴミとプラスチックゴミだが、それぞれ湿気と体積という難題を抱えている。生ゴミはまだしも、もう一方の厄介さはただごとではない。大きさも形状もまちまちな容器が大量に集まると、使用後の体積は使用前をはるかに上回るのだから。

 今回はJeeの提案で、原則バス利用になった。車は食料運搬用の1台。レンタカーもなし。直前に車持ちが次々に脱落したことにもよるが、一度試してみたかったエコツアーでもある。行きはよいよい帰りはこわい、とはこのことだ。プラスチックを全員に振り分けても、片手に余る。そのお土産を抱えて、どやどやとバスを乗り継ぎ、列車に駆け込む図を事前には予想もしていなかった。

 ゴミ持ち帰りが、ある程度有効な方法であることは疑いない。ただし、それは車を前提にした方策だろう。バスや列車という公共の空間に、少なくない量のゴミを持ち込むことが理にかなっているのかどうか。そんな論議が重ねられたという話は聞かない。

(2008.9.16.)

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コメント

学生時代バスを主たる交通の手段にしていた私には、何やら他人事に思えないアン爺のゴミ話。
車以外の交通手段を利用する際、私は最小限の荷物で済ませるよう心掛けています。バッグ一つが理想。二つ以上になると、どれかを手放してしまう確立が異様に高いのです。(何度やったことか)だけど、一番の理由は、荷物で座席を埋めてしまうと、座れていない人の視線が痛いから。「てめぇの荷物のせいで座れないんだよ」と言われている気分になるのです。
では、その荷物がゴミだったらどうか。ゴミだからといって人々の視線が優しくなるとは思えません。この車社会、そして頭ごなしな「地球を守ろう」精神を前に、アン爺一行の苦労は報われない…?

投稿: min. | 2008年9月15日 (月) 20時56分

minさん
 本題をはずれた連想でごめん。常々不思議に思うことですが、いまの若い人たちは列車で荷物を網棚に載せませんなあ。なぜでしょうねえ。日々列車を利用するワタクシは、車内で新聞を読むので荷物は必ず頭上に置くのですが。
 荷物の上げ下ろしは結構目立つらしくて、数年前、列車通学の学生たちの間で「網棚おやじ」と話題になっていたと当時のゼミ生から聞かされたことがあります。話のネタになるほどのこととは思えないのですが。

投稿: アン爺 | 2008年9月17日 (水) 00時01分

「網棚おやじ」ですか!笑
確かにあの大きな喪黒福○鞄を上げ下ろししてたら目立つでしょうね。話題になるのも分かる気がします。
そういえば私も網棚には物を置いたことがないですね。背が低いから上げ下ろしが大変、というのもありますが、手元に物がないと落ち着かないというのが大きいですね。
鞄には携帯や本、化粧道具、MP3プレーヤーなどが入ってるので、暇な電車の中ではこれらをすぐに取り出せるようにしておきたいのです。
じっとしていられない若者は、爺のように新聞一つではやり過ごせないので、持っているものをフル活用してしまうんですよ。それには網棚は不要!というわけです。

投稿: min. | 2008年9月17日 (水) 13時38分

 何にせよ、ゴミを出さないというのが最良かと。ペットボトルあたりは、そもそも買わないってのがいいんでしょうなぁ、理想論としては。

 網棚おやじとは、即物的ながら良いネーミングだ。そう名づけた人に何かの賞をあげよう。ノーベル網棚おやじ賞とか。

投稿: はかせ | 2008年9月17日 (水) 17時34分

「網棚おやじ」に「喪黒福○鞄」。ユニークなネーミングですね。次回のお題にしてみてはいかがでしょう???しかし、どこで見られてるかわからないもんです。そういえば、最近のバスには網棚がないものが多いですよ。あれ?吹上浜って有名なところですかね。。。聞いたことがありますが・・・。

投稿: ひまわり | 2008年9月17日 (水) 22時03分

吹上浜
 小泉訪朝で北朝鮮拉致問題が前面に出てから6年。記憶もしだいに薄れてきたけれど、吹上浜は30年前にカップルが忽然と消えたその場所なのだ。女性の兄が家族会事務局長といえば、思い出すであろう。

投稿: アン爺 | 2008年9月17日 (水) 22時54分

喪黒福〇鞄・・・って何のことでしょうか?気になります。

投稿: hidewald | 2008年9月24日 (水) 14時17分

喪黒福造とはアニメ「笑ウセールスマン」の黒服のセールスマンのことですよ^^藤山氏のように大きな黒い鞄を持っているのです。

投稿: min. | 2008年9月29日 (月) 22時45分

訂正
「笑ウセールスマン」→「笑ウせぇるすまん」

投稿: min. | 2008年9月29日 (月) 22時53分

minさん
 かのお方はそういう名でありましたか。記憶に留まった時期もあったはずなのに、一向に手がかりなしであります。
 その大鞄、夏休みの間、放り出していたのを昨日から引っ張り出しました。朝、お山に着くと、左手が震えて、しばらくコーヒーカップも持てない状態でありました。

投稿: アン爺 | 2008年10月 1日 (水) 00時49分

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