当世カラオケ事情
ゼミの「追いだしコンパ」のあと、カラオケに誘われた。同席するのは半年ぶりだったが、短期間の変化に一驚した。学生たちが歌う曲のテンポが一段と速くなっているのだ。
大勢で騒ぐときに、やや高音域でアップテンポの曲を選ぶのは、いまに始まったことではないけれど、この日の大勢を占めたのは、歌というより「早口言葉」に近い。ラップ調というのだと、あとで一人が教えてくれた。化石世代にとってカラオケはまた一歩遠くなった。
何よりも驚いたのは、次々に繰り出される曲をメンバーの多くが苦もなく歌えるらしいことだ。しかも勘所を心得た歌いっぷりだ。これだけ多くの曲をマスターできる時間がよくあるものだと妙に感心してしまった。
彼らはいつ、どこで覚えるのだろう。そんなヒマがあったら、などとはさすがに思わなかったが、どうにも不思議でならない。私の興味は歌よりもそちらに傾斜していった。
そのうち、はたと思い当った。クルマである。この大学にはマイカー通学生が多い。道路網がおそまつなうえ公共交通機関が少ない土地柄によるのだが、3、4年生になると3人に2人はマイカーあるいは2輪車で通学しているのだ。
カーステレオで好みの曲や新曲を流す。これなら覚えるのに格別な苦労はいらない。加えて、車内は密室である。大音声を張り上げてもどこからも苦情がくるおそれはない。達者に歌えるのも道理である。クルマ社会・鹿児島の学生たちには、ひょっとすると、他府県よりカラオケ上手が多いのかもしれない、などとあらぬ方向に想像が広がる。
隣に座った上手の一人に尋ねてみた。予期した答えが返ってきた。彼女はせっせとCDを買うのだが、ファイル交換ソフトを活用している友達も少なくないのだという。次から次へと出る新曲を軽々と歌いこなす若者が多いのもうなずける。
大声で合いの手を入れたり踊ったりと、ひときわ存在感を見せつけたのがバイク通学の学生だった。これも気になる。そこで翌日聞いてみた。おまえ、いつ、どこで覚えるんだ。答えがふるっている。「覚えてるわけじゃないですよ。合いの手のタイミングさえ外さなきゃいいんです」。化石は小さくなるしかない。
(2009.2.20.)
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コメント
歌よりも不思議なことよりも、
変な方向に想像が膨らむ、、
男女問わず。
前世問わず。
なるほど!笑
投稿: ふぁべい | 2009年2月21日 (土) 00時33分
ふぁーべいさん
相変わらず難解なコメントありがとう。
投稿: アン | 2009年2月22日 (日) 15時23分
ポップスに限らず、我が音楽科の車通学の学生達も、各自の主科の楽器がメインになっている楽曲を聴きながらやってきているので、そんな曲どうして知っているの?というような曲を弾いていることもしばしば。楽譜より文字より耳からの感覚の速さは若さの特権??
投稿: ひまわり | 2009年2月22日 (日) 22時44分
ひまわりさん、しばらく
オタマジャクシを育てるより耳長うさぎさんのほうが確かだったりすると、ガッコ行くよりマイカーに乗れ、ということになりませぬか。くわばらくわばら
投稿: アン爺 | 2009年2月23日 (月) 00時24分